2011年2月14日月曜日

大局観 2011年2月14日

先進国

出てくる経済指標はどれもこれも、予想を上回って良いものばかり。先行きも楽観的な論調がほとんどのような気がする。特に先進国についてはそういう傾向だ。

特に気になったのは、アメリカの12月のConsumer Borrowingが3ヶ月連続での上昇なこと。 中でも、クレジットカード使用は2年以上ぶりの増加

(アメリカの消費が意外と強いじゃん。)

がもうずっと続いている。消費してナンボのアメリカ経済なのだから、重要なポイントなんだろう。

結局、2011年の全体見通しの上方修正が続いている。特に、アメリカと日本。2011年は、

あれ!?思っていたより全然いいじゃん!

の年。




新興国

一方で、新興国は相変わらずインフレと引き締めばかりが注目されている。エジプトなどの中東革命もあって、とりあえずは新興国から逃げ出そうという雰囲気なのだろう。マーケットは下げ続けている。

中国では3度目の利上げ。ベトナムが7%程度の通貨切り下げ。15ヶ月で4回目。利上げは無し。インドネシアが利上げ

アルゼンチンなんかは、政府のインフレ率は10%、民間は25%で、高いインフレ率を出したエコノミストに対して、算出根拠を示さないと罰金と。

そこまで新興国のインフレは激しいって事。生活上のインフレは、統計上のインフレよりずっと激しい。だからこそ、コモディテイー、特に食料品関連、価格の急上昇が中東革命の引き金になった。

この状況でマーケットは下落を続けている。2011年の新興国株パフォーマンスはボロボロだ。

先進国 VS 新興国

新興国から逃げ出したお金が先進国へ貫流している。レパトリエーション。新興国ETFは解約が続いているし、アメリカの1月国内株投信への純増額は2004年2月以来の高額$21B。純増は昨年4月以来だ。

2011年を通せば、新興国がアンダーパフォームって事はないという前提。つまり、今後、ぐぐぐぐっと盛り返すときが来るはず。同時に、先進国相場が調整する。

新興国の利上げにマーケットが下落しなくなったときが買い場なのかと。


コモディティー

コモディティーは全部上昇。

国連食糧農業機関(FAO)によれば、1月の世界の食料価格指数は食料高騰が大問題になった08年を上回り過去最高

原油は足りている。でも100ドルを超える。OPECに増産のプレッシャーがかかる。現在この辺りの段階だ。今後は、仮に増産しても原油価格は上がり続ける。ついこの前見た光景だ。

日本の鉄鋼大手は原料高で下方修正を出した。が、新日鐵と住金の合併計画で鉄鋼株は全て上へ一旦跳ねた。ショート気味で良いと思う。

食品株もコスト高で利益が出ていない。特に、川上に近ければ近いほどマージンプレッシャーがかかっている。これがだんだん川下に降りてくるわけです。川下に降りて来れば、川上食料品株は買える




為替

中国は通貨規制をまったりを緩める。1.外国企業が中国事業の資金を香港で元建社債調達出来るように。2.ロシア、ベトナム、タイでは元での貿易決済が出来るように。3.ニューヨークのBank of Chinaでは元建預金受け入れ。長期の流れ。


もちろん、じんわりの元高は継続。

ドル円では、東京金先でのFXドル買い越しは過去最高、一方、CFTCでの円買い越しは最高水準。ミセス・ワタナベVSヘッジファンド。ヘッジファンをが勝つ事が多いと思う。

中東革命で有事のドル買いは起こらなかった。有事とは取られなかったのか、ドルの立ち位置が変わったのか。輪転機を回し続けているわけで、ドルの価値が下がっていることは間違いないが。だからといって、他通貨を買えるかと言えば、そうでもない。

結局、どの通貨も買えない。元は欲しいのだろうけど。これもまた、コモディティー高の背景だ。

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